賃貸物件の供給数は一部エリアを除けば完全に多くなっています。特に競争力が低下した築20年以上の物件では資産価値が下落しているため空室が目立ちます。
一定期間空室が続くと、空室による家賃機会損失を抑えるため、家賃値下げを行う物件が増えます。家賃値下げを行うと賃貸検索サイト内の反響が増えるので、客付けに有利になると言われています。
ただ安易な家賃値下げは、賃貸経営上多大な影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。
本投稿は競合物件が家賃値下げした場合、どのような対策を行うのが効果的なのかについてお伝えいたします。
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【本記事でお伝えする結論】
1.家賃値下げのデメリット
賃貸物件を探している方は少しでも家賃が安い物件に入居したいと考えています。そのため家賃値下げは借主ファーストと思えるかもしれませんが、貸主にとってはデメリットでしかありません。その理由は以下2点を挙げることができます。
負のスパイラルに陥ってしまう
管理上のリスクが増える
それではそれぞれの問題点を見てみましょう。
負のスパイラルに陥ってしまう
家賃値下げを行うと客付けにプラスになるため、物件稼働率を改善させる効果はあります。しかし家賃値下げを行うと…
家賃収入は減少
入居中の借主家賃との乖離が生まれるため、契約更新時家賃値下げ交渉が入りやすくなる
家賃値下げしても空室が埋まる保証はない
従前と比べ損益分岐点が上昇=キャッシュフローが悪化しやすくなる
内部留保がなければリスケジュールを依頼=格付けが悪くなる
ため負のスパイラルに陥りやすくなります。
管理上のリスクが増える
家賃値下げを安易に行うと管理上のリスクが増えてしまいます。一般的に借主属性と家賃は比例していると言われているため、家賃値下げを行わない物件と比べると…
家賃滞納リスク
借主同士のトラブル(騒音、モンスタークレーマー)
が増加し、場合によっては告知義務対象物件になりかねません。
▶管理上のリスクの詳細は、こちらをご覧下さい。
2.競合物件が家賃値下げした。どうする?
競合物件が家賃値下げを行うと賃貸検索サイトの反響が伸び悩むため、客付けが厳しくなります。対処方法としては以下3点を行うのが効果的です。
写真点数を増やす
募集条件の一部緩和
リフォーム/リノベーションを検討
それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
写真点数を増やす
at-homeが発表したリリースによると、賃貸物件を探している方は「物件写真の枚数が多い仲介会社」「写真が奇麗な物件」を選ぶ傾向が強いとのことです。
また部屋探しされる方がインターネット検索する際、約6割は水回り&物件近くにあるスーパーマーケット、コンビニの写真は必ず見たいとのことです。
賃貸検索サイト内の反響が伸び悩んでいる場合、もしかすると賃貸検索サイト内の写真掲載に問題があるかもしれません。
募集条件の一部緩和
募集条件を緩和すると賃貸検索サイトの検索に引っかかりやすくなるため、反響数を伸ばすことが期待できます。
例えば部屋探しされる方は初期費用を抑えたい方が多いため、敷金&礼金が設定されている物件では撤廃することで反響数増加が期待できます。また内見からの成約率が悪い場合は、フリーレント&エアコン1台増設or新設すると訴求効果が高まるため、入居促進効果が期待できます。
リフォーム/リノベーションを検討
競合物件が家賃に値下げしてきた場合、一番効果的なのは資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを行うことです。
築年数に応じたリフォーム/リノベーションを行えば、従前&競合物件と比べ訴求力が向上するため成約率は格段に高くなります。
因みに弊社物件では築年数が経過しているため、2018年から空き室を随時リノベーションしています。家賃相場より1万円以上高い家賃で募集していますが、本執筆時の2025年1月6日現在満室稼働中です。
▶弊社リノベーション物件の詳細は、過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は競合物件が家賃値下げした場合、どのような対策を行うのが効果的なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
物件供給数が飽和状態となっている現在、競争力が低下した築20年以上の物件は、家賃値下げしても昔と比べると成約率は悪化し、中には空室が6か月以上続いているケースもあります。
そのため競合物件が家賃値下げした場合、連動して家賃を下げるのではなく、資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを検討した方が、訴求力が向上するため客付けに効果的です。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
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