賃貸家賃値下げ集客の行き着く先は?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長
- 2月23日
- 読了時間: 7分
賃貸経営は借主が見つかれば安定的な家賃収入を得ることが可能ですが、昨今の賃貸市場は需要と供給が逆転しており一部のエリアを除いて賃貸空室率は悪化しています。
今後人口減少はさらに加速するため、エリア内の賃貸空室率が改善することは難しいと思われます。
賃貸空室率が悪化すると競争力が低下した築年数が古い物件に影響を及ぼし、物件によっては家賃機会損失を最小限に抑えるために家賃値下げが行われます。
しかし家賃値下げを繰り返すことで損益分岐点が高くなり、賃貸経営的にマイナスの影響を与えます。それにも関わらわず、多くの貸主は客付けに集中し、この事実を把握していない傾向にあります。
本投稿は家賃値下げ集客の行き着く先についてお伝えします。
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【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸家賃値下げはなぜ発生する?

賃貸市場おける家賃値下げは一過性のものではなく一度値下げすると後戻りできなくなります。家賃値下げが発生する背景には以下3点が挙げられます。
価格競争
借り手有利
空室長期化を避ける
それではそれぞれの原因を見ていきましょう。
価格競争
賃貸経営は他の不動産投資と比べるとリスクが少なく、また節税対策が期待できるため近年では新築物件を建てる方が急増しています。
その結果、競争力が低下した築年数が古い物件は部屋が埋まりにくくなり、価格競争が起きやすくなります。
しかし家賃値下げすると競合物件も同様の対応を取るため、この状況が常態化となってしまっています。
借り手有利
賃貸市場は空室率が悪化しているため完全に借り手有利となっています。そのため家賃値下げ交渉が発生すると、客付けのためやむなく同意する物件が多く見られます。
さらに家賃値下げするとその情報は賃貸検索サイトに掲載され、同居してる他の借主からクレームが入ることがあります。この結果契約更新時家賃値下げを要求されることで負のスパイラルに陥りやすくなります。
空室長期化を避ける
毎年1月~3月及び8月のお盆明け~9月末まで繁忙期となりますが、繁忙期を過ぎると賃貸需要は急激に減少し空室長期化しやすくなります。そのため一部の貸主は空室長期化による家賃機会損失を防ぐため、家賃値下げを行います。
ただし家賃値下げしても競合物件も同様のことを行うため、空室が埋まりやすくなるとは言えないのが現状です。
2.賃貸家賃値下げ集客の行き着く先

家賃値下げを行えば反響数が高くなるため客付けしやすくなります。ただ家賃値下げ集客を繰返すと「値下げの連鎖」が止まらなくなりその結果以下…
キャッシュフローの悪化
属性悪化
格付けが下がる
可能性が高くなります。それではそれぞれの問題点を見ていきましょう。
キャッシュフローの悪化
大多数の貸主は金融機関からアパートローンを借りて賃貸経営を行っています。アパートローンは元利均等返済が多いため毎月の返済額は一定です。
家賃値下げを行うと客付けできるかもしれませんがその代償として従前と比べ「収入減少」「損益分岐点が高く」なるリスクがあります。
例えば1棟10戸所有し家賃6万円で募集、毎月のアパートローン返済額は25万円、諸経費は月15万円の場合…
家賃値引きなし | 各部屋5,000円値引き | |
損益分岐点 | 66.6% | 72.7% |
満室時の収入 | 60万円 | 55万円 |
年間家賃収入 | 720万円 | 660万円 |
家賃値下げすることで、従前と比べ家賃収入減少し損益分岐点は高くなってしまいます。また築年数が古くなるにつれて経年劣化による修繕費は増加するため、キャッシュフローは確実に悪化してしまいます。
家賃値下げが収益に与える影響は無視できないものになってしまいます。
属性悪化
家賃を安くすると反響数増加が期待できますが借主属性は確実に悪化してしまいます。そのため家賃値下げして客付けできても「借主同士のトラブル」「家賃滞納」問題が発生しやすくなります。
特に騒音トラブルによる退去が発生すると、再募集時告知しなければならなくなるため、客付けが非常に難しくなってしまいます。
格付けが下がる
家賃値下げを繰返す物件は設備投資に消極的なため、物件価値が低下してしまいます。物件価値が下落すると客付けが難しくなることが多く仲介会社によっては…
当て馬的に扱う
賃貸検索サイト掲載をやめる
ことがあります。また収益が低下すればメインバンクの格付けにも影響が出てしまい、今後の新規融資などが難しくなります。
家賃値下げ集客は一時的には客付け効果が期待できるものの、収益低下や損益分岐点が高くなるため長期的な視点で見た場合メリットはなにもありません。
3.安定した賃貸経営をするには?

家賃値下げ集客の行き着く先は暗い未来だけとなってしまいます。賃貸経営を安定させるには物件力を高めキャッシュフローを改善することが唯一の方法です。
一般的にはリノベーションが有効ですが、競合が多くなれば差別化の価値は下がるため、コモディティ化になりやすくなります。これを脱するにはベネフィット訴求するリノベーションを行うことが必要です。
弊社物件は2017年の繁忙期客付けに大失敗したため、マーケティングをゼロベースからやり直し、20~30代女性にヒットするカフェスタイルに特化したリノベーションを翌年から展開しました。
▶2017年の客付け失敗の詳細は過去記事をご覧下さい。
自然素材の材料を可能な限り使用することで、競合物件との差別化を図りましたが、募集家賃が家賃相場より高かった(当時は賃貸検索サイトのみの集客)ため、反響数を伸ばすことができず、内見が入ってもベネフィットを伝えていないため、家賃が高いイメージが先行し客付けで苦戦しました。
そこで実際に入居している借主に「入居後の暮らしで感じたこと」をインタビューし、借主の声を直接内見時やWEB上で紹介したことで「顧客自身が自分のことに置き換えてくれる」ようになりました。
その結果リノベーションを機に家賃値上げしても従前と比べ早期客付けが可能となり、2020年以降3期連続で増収増益を達成しています。
▶借主インタビューの詳細、弊社リノベーション詳細は過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は家賃値下げ集客の行き着く先についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
賃貸市場は需要と供給が逆転し、価格競争が激化しているため、借り手有利な状況となり価格競争は発生しやすいといます。
しかしベネフィット訴求するリノベーションを展開することで、顧客は家賃(相場)ではなく物件価値で判断してくれるようになります。その結果家賃値上げしても客付けには全く影響が出ないのです。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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