賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策とは?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長
- 3月7日
- 読了時間: 12分
賃貸経営はサブリース契約以外すべての最終決定は賃貸オーナーが握っています。そのため賃貸オーナーの決断次第で賃貸経営の命運は大きく分かれると言っても過言ではありません。
このような話をすると大多数の賃貸オーナーは委縮してしまいますが、適切な空室対策を行えば実は賃貸経営はうまくいくものです。
本投稿は賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策についてお伝えいたします。
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私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
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【本記事でお伝えする結論】
1.空室対策の全体像と基本的な方法

1)空室問題が多い原因
賃貸物件で空室が多くなる最大の原因は賃貸需要と供給が完全に逆転し、借り手有利になっているからです。部屋探しされる方は賃貸検索サイトを活用しており、同サイトにはエリア内の家賃相場が記載されています。
希望物件の家賃と家賃相場に乖離があると家賃が安い物件を選択する可能性が高く、また家賃予算が合えば少しでも築年数が浅い物件を選択してしまいます。
そのため競争力が低下した築年数が古い物件は、築年数が浅い物件と比べ過当競争が激しくなる傾向があります。
2)物件の魅力をアピールする方法
部屋探しされる方は平均3件内見を行うとされていますが、内見からの成約率は約2割です。成約率を高めるには内見時に物件の魅力をしっかりと伝えることがポイントとなります。
物件の魅力をアピールする方法としては…
募集部屋をリフォーム/リノベーションする
定期的に物件清掃を行い清潔感を出す
短期電気契約を行い内見時、電気が使えるようにする
契約された方に日用雑貨をプレゼントする(部屋に置く)
などがあります。
3)効果的な設備改善とリノベーションのノウハウ
一定期間募集しているのに空室が埋まらないのは、部屋の資産価値が低下している可能性が高いです。
特に築年数が20年以上経過した物件では、設備減価償却が終了し見た目以上に古さが目立つことが多く、機能性や利便性が低下しているため内見時の物件印象が悪くなります。
基本的に築20年以上経過した物件は設備/内装/間取り変更を行うリノベーションを施すことで資産価値を高くなり、早期客付けが期待できます。
▶リノベーションのノウハウは過去記事をご覧下さい。
2.費用対効果を考慮した空室対策

1)家賃設定と賃料見直しの重要性
賃貸検索サイトからの反響が少ない場合、募集家賃と家賃相場に乖離が発生している可能性が高いです。賃貸物件で家賃設定を行う場合…
賃貸事例比較法
積算法
収益分析法
の3つの方法がありますが、賃貸物件で最も採用されているのは「賃貸事例比較法」でエリア内にある類似条件の賃貸物件の家賃相場を比較して家賃を算出します。
しかしこの方法は手間がかかる点ではデメリットです。そこでSUUMO賃貸経営サポートを活用すれば簡単にエリア内の家賃相場を調べることができます。
家賃相場に近い家賃設定にすると、賃貸検索サイト内の反響数が増え従前と比べ早期客付けが期待できます。
2)礼金・敷金の条件見直しとその効果
賃貸物件に入居する方は契約前に初期費用を支払う必要があります。賃貸業界には昔からの商習慣が今でも残っており、代表的なのは敷金と礼金です。
敷金は家賃未払いなどに備える「担保金」の要素が強いもので、礼金は入居許可を出してくれた賃貸オーナーへの謝礼金です。
ただ両者は現在の価値観/ライフスタイルに合わなくなっています。そこで敷金/礼金を無料化することで初期費用を抑えられるため入居促進効果が期待できるでしょう。
3)コストパフォーマンスに優れたリフォーム・リノベーションアイデア
近年の賃貸業界は物件供給数が飽和状態にあり、競争が厳しくなっています。そのため早期客付けを目指すなら築年数に応じた空室対策が必要です。
賃貸設備の減価償却は最長で20年のため、現在の築年数が20年以下なら表装リフォーム/20年以上の場合はリノベーションを検討することで空室問題を早期解決が期待できます。
また物件清掃/フリーレント/エアコン交換なども行うことで、相乗効果/訴求効果が生まれ、内見時の物件印象が向上し入居促進効果が期待できます。
▶リフォーム/リノベーションアイデアの詳細は、過去記事をご覧下さい。
3.空室対策における物件管理

1)24時間管理の重要性
賃貸設備トラブルが発生した場合、借主は管理会社に連絡する必要がありますが、管理会社の営業時間外でトラブルが発生した際、どこに連絡すればいいかわからなくなってしまいます。
大手管理会社に管理委託している物件では、24時間管理になっているため夜間帯/土休日にトラブルが発生しても迅速に対応でき、管理上のトラブル軽減/顧客満足度を高める効果があります。
24時間管理の管理料は、毎月支払っている管理費の中に含まれているため賃貸オーナー側の負担はありませんが、ただ管理会社によって借主が利用する場合毎月利用料が発生するケースがあります。
2)共用部の清掃と管理
日本トレンドリサーチが飲食店の清潔感に関する調査を行ったところ、店内が汚いことを理由にそれ以来行かなくなったと回答した方は約6割いたとのことです。
つまりお店の第一印象が悪いと、たとえ料理がおいしくてもリピーター客になってくれる可能性が低いことを示唆していますが、これは賃貸物件にも当てはまります。
物件外観や共用部清掃が行き届いていないと、清潔感は全く感じられないため、内見時の物件印象は最悪となります。事実物件清掃が不十分な物件は成約率/空室率は悪化し、仲介会社からの評価も低くなります。
物件清掃は賃貸オーナーでもできる仕事です。物件が自宅から近い場合、定期的に掃除するだけで物件印象は大きく改善され客付けにもプラスの影響を与えることができます。
4.物件の魅力を最大限に引き出すアイデア

物件の魅力を高めることができれば、反響/成約率は一気に向上し、空室で悩むことは少なくなると言っても過言ではありません。物件の魅力をどう高めればいいのか、多くの賃貸オーナーは自問自答していると思います。
弊社代表が考える「物件の魅力を高める」方法とは、室内インテリアの強化です。室内インテリアが魅力的になれば、入居希望者の心をつかむ大きなポイントとなります。
部屋探しされる方は、内見時「入居後の生活イメージ」を連想しています。そのためリフォーム/リノベーション時に「成約ターゲットが好むインテリア空間」を作ることで、所謂映える部屋となり魅力的な部屋になります。
リフォーム/リノベーション時にこのような考え方を持つ賃貸オーナーは意外と少ないのですが、意識することで従前と比べクオリティーが高い部屋を作ることができるでしょう。
5.リスクを避けるための空室対策

1)安易なアイデアとやってはいけない空室対策
広告料増額
客付けに強い仲介会社に定期的に訪問営業する
家賃値下げ
ホームステージング
等といった空室対策は効果が期待できる言われています。これらは「低予算」で対応でき早期客付けに成功すれば費用対効果は十分期待できます。
しかし弊社代表はこれらの空室対策は費用対効果が期待できないと考えています。最大の理由は競合物件も同様の空室対策を行っているため、競争が激化し更なる価格競争が生じてしまうからです。
またこれらの対策で客付けができても、物件管理/借主属性が低下するとトラブル発生率が高まり、長期入居に繋げることが難しくなるのです。
2)リスク分析と問題回避のためのチェックリスト
上記空室対策リスクと問題回避させるポイントをまとめると以下の通りとなります。

6.宣伝と募集方法による空室対策

1)効果的な宣伝手法とタイミング
賃貸検索サイトは家賃や築年数などを選択できるため、築年数が古い物件は検索に該当しにくくなり反響数を伸ばすことが難くなります。
また築年数が古い物件がリノベーションしても「同サイト内のリノベーション定義」に合致しなければ専用ページの掲載ができません。
そこで効果的な宣伝手法は賃貸オーナー自身で物件情報をSNS投稿することです。賃貸物件を利用する機会が多い20~30代は「リアルな情報と時短検索」を求めています。
SNS媒体を使って物件情報を投稿することで、ハッシュタグ検索を通じてダイレクトに情報が届き、反響数UPが期待できます。
2)仲介会社との協力方法
仲介会社が物件成約させた際に発生する報酬は仲介手数料のみです。そのため売り上げを伸ばすには契約本数を伸ばすことが唯一の方法となります。
しかし内見からの成約率は約2割と言われているため、成約本数を伸ばすにはより多くの物件を紹介するかクオリティーが高い物件を紹介するかの2択になります。
そこでおススメなのが賃貸オーナー自ら物件紹介し客付けに成功した際、仲介会社にお客様を紹介し契約手続きを代行してもらうことです。
双方がwinwinの関係を築くことができるため、初期費用の一部を緩和してもらうことが期待できます。
7.成功事例から学ぶ空室対策

1)成功したアパートの事例紹介
弊社物件がある山梨県は賃貸空室率全国ワースト3位で、賃貸単体では約3割が空き室と言われています。弊社物件は築年数は経過しているものの表装リフォームを強化していたため、2016年まで客付けに苦戦することはありませんでした。
しかし翌年の繁忙期、これまでの空室対策が通用せず客付けに失敗しました。表装リフォームのみでは資産価値低下を抑えられないと考えリフォームからリノベーションへと方針転換しました。
翌年からカフェスタイルに特化した差別化リノベーションを展開したところ、2年後から4期連続で増数増益を継続し本執筆時の2025年3月7日現在満室状態を継続しています。
2)空室対策リノベーションが成功したワケとは?

弊社空室対策リノベーションが成功した最大の理由は
顧客が望んでいる価値と弊社が提供する価値が一致
したことが大きいです。
弊社物件は2LDK賃貸アパートで借主属性は20~30代の新婚さん/カップルが全体の約8割を占めています。ファミリー物件の場合女性が部屋探しの主導権を握っており、同年代は…
自宅で落ち着きたい思いが強い
シンプル傾向/空間全体の統一感を重視
していることが花王の調査でも明らかになっています。そこで弊社物件ではカフェスタイルに特化した差別化リノベーションを展開し、顧客ニーズに応える室内空間を提供しています。


温もり溢れるおしゃれなカフェスタイルキッチンは、シンプルナチュラルを好む方にとって、毎日の料理の時間が楽しくなるばかりではなく、リラックスしたい時には「おうちカフェ」も楽しめるため友達につい自慢したくなるキッチンとなります。
また弊社リノベーションは白を基調としたシンプルなデザインで、統一感を重視したい方にとっては理想的な部屋と言えます。
自然素材を活用した本格的なリノベーション部屋は、競合物件では提供できないため、資産価値を最大化させることに成功しました。その結果従前より最大10%家賃値上げすることに成功し、物件周知を独自展開することで成約期間を短縮にも成功しています。
3)改善結果と課題

弊社物件ではリノベーション前と比べ入居率/家賃収入とも大幅に改善することに成功しました。一方で築年数が古いため、新築物件と比べると「収納力」が弱いところが唯一の弱点と言えます。
新規にクローゼットを増設すると費用がかかってしまうため、今後リノベーションを行う際には洋室の一部に壁棚やハンガーパイプを設置することを検討しています。
これにより収納力を向上させ、より魅力的な空間を提供できることを目指しています。
▶弊社リノベーション詳細は、過去記事をご覧下さい。
8.まとめ
今回は賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
近年では物件供給数が飽和状態となっているため、築年数が浅い物件でも客付けに苦戦することがあります。そのため早期客付けを目指すならば築年数関係なく空室対策は強化することが求められます。
しかし有効的と言われている空室対策は競合物件も行われている可能性が高く、昔と比べると結果が出にくくなっています。
安定した賃貸経営を目指すならば、顧客が何を望んでいるのか賃貸オーナーがしっかりと把握し、その上で適切な空室対策を講じないと、今後ますます客付けが厳しくなる可能性が高くなります。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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