2022年2月ロシアがウクライナに一方的に侵攻を始めたことで、原油などのエネルギー、食糧や原材料費価格が右肩上がりになり、さらに昨今は円安が進んだことで日本は完全にインフレ状態となっています。
賃貸業界においては内装などの建築材料が値上がりしたことで、リフォーム費用が高くなってしまっています。また共用灯の電気代も高くなっています。
そこで貸主の中には契約更新のタイミングで家賃値上げを借主に提案すると思われますが、家賃値上げは簡単に成立するのでしょうか?
本投稿は賃貸家賃値上げの基本についてお伝えいたします。
▶︎お知らせ◀︎
私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
まずはお手軽無料相談からお問い合わせください。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸家賃値上げはできるのか?
結論から先に申し上げますと貸主が家賃値上げ要求することは法的に認められています。根拠となるのが借地借家法で同法第32条1項には次のように明記されています。
建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相応となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額を増減を請求することができる。
貸主側の家賃値上げは認められているものの、値上げする際は「正当な理由」を示すことが条件となります。
家賃値上げ要求に必要な正当理由とは?
貸主側がただ単に家賃値上げしたいからという理由で、借主に交渉することはできません。先程もお伝えしましたが、値上げする際は「値上げが必要となる正当理由」を証拠して提示しなければなりません。
家賃値上げ要求に必要な正当理由とは以下3つを挙げることができます。
◦固定資産税が値上がりした
固定資産税は3年ごとに見直しされますが、例えば再開発/人口増加により周辺地価が上昇すると土地評価額が上がるため固定資産税も高くなります。従前より高くなったことを示すことで家賃値上げ交渉ができます。
◦家賃が相場より安い
物価上昇/再開発などで家賃が家賃相場より安くなった場合は、家賃値上げする正当理由となります。人気エリアに物件あり家賃見直しをしていない物件は、もしかしたら家賃が相場より安くなっている可能性があります。
◦その他経済事情の変動
その他の経済事情の変動とは建物/地下騰落以外の経済的な事情(物価や国民所得の変動など)のことです。物価上昇も「その他の経済事情の変動」に該当するため、家賃値上げする正当理由として考えられます。
2.正当理由があっても家賃値上げが難しいワケ
家賃値上げ交渉はいつ行っても特に問題はありませんが、契約更新のタイミングで行うケースが最も多いです。
家賃値上げ交渉を行う場合、値上げする正当理由を記した資料を借主に送り同意を得ることになりますが、正当理由があっても家賃値上げはハードルが高いのが現実です。
それは家賃値上げは借主/貸主双方の同意が必要となり、借主が拒否すれば家賃値上げはできないからです。家賃値上げができなければ最悪提訴するしか方法はありません。
正当理由が認められれば勝訴できる可能性はあるものの、解決には時間と費用が掛かるため家賃値上げは非現実的となってしまいます。
3.賃貸家賃値上げの基本とは?
仮に正当理由があったとしても借主が家賃値上げを拒否されれば家賃値上げはできません。ただやり方次第で簡単に家賃値上げはできます。その方法とは退去後資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを行うことです。これが家賃値上げの基本です。
賃貸物件の資産価値は築年数の経過と共に下落します。そのため家賃も年1%下落してしまいますが、資産価値を高める設備リフォーム/リノベーションを行うと、同築年の物件と比べ物件価値が向上するため募集を機に家賃値上げができます。
設備リフォーム/リノベーションが効果的になる築年数とは?
設備の減価償却は築20年を過ぎると終わってしまうため、借主に人気が高い設備(エントランスオートロック、システムキッチンなど)リフォームや内装や設備、間取りを一新するリノベーションを行う場合、築20年以上の物件で行うと資産価値が最大化になり家賃値上げがしやすくなります。
家賃値上げの上限は新築家賃の80%まで
設備リフォーム/リノベーションすると同築年の物件と比べ資産価値が向上するため家賃値上げはしやすくなります。
ただ仮に人気設備やリノベーションを充実させ付加価値を高めたとしても、新築物件を超えることは不可能です。そのため家賃値上げができたとしても最大で新築家賃の80%までです。
4.まとめ
今回は賃貸家賃値上げの基本についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
インフレ状態が続けば家賃値上げの正当理由になるため借主に交渉することができます。ただ昨今のインフレは「悪いインフレ」(給与が増えず物価だけ上昇している)のため、家賃値上げを要求するとかえって逆効果(退去のきっかけをつくる)となってしまう可能性があります。
そのため家賃値上げをする場合は、入居中ではなく退去後資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを行うのが効果的と言えます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
▶︎まずはお気軽にお問い合わせください
055-241-2218
090-8514-3562
Comments