空室率ワースト1位の山梨県で、結果を出している理由とは?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長
- 2024年2月23日
- 読了時間: 6分
更新日:3月19日
総務省が発表した「2018年10月時点の住宅・土地統計調査」によると、山梨県の空き家率は全国ワースト1位で、賃貸単体では約3割は空室になっています。

日本の人口は2008年をピークに年々減少傾向を示しており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2048年には1億人を割り、2060年には8674万人まで減少するとされています。
特に15才~64歳の生産年齢人口は少子化の影響を受け、賃貸需要はさらに減少することが懸念されます。
野村総研の予測では2040年には空室率40%前後になるとされており、一部エリアではすでに空室率30%台に達していることを考えると、40%台に突入するのは時間の問題と言えるでしょう。
大空室時代に入ると、特に競争力が低下した築年数が経過した古い物件は深刻な状況に直面します。
古い物件は「古臭い」「生活がしにくい」というイメージが先行し、空室が目立つようになります。そのため空室を埋めるべく家賃値下げを行っても…
借主同士のトラブル
家賃滞納
家賃収益低下
など新たな問題が発生し負のスパイラルに陥る可能性が高くなります。
▶負のスパイラルに関しては、過去記事をご覧下さい。

弊社が所有している物件は、空室率全国ワースト1位の山梨県甲府市にあります。1993年築で和室がある2LDK賃貸アパートであるため、家賃値下げしなければ集客できない/収益性が期待できない物件と捉えられてしまいますが本執筆時の2025年3月19日現在…
満室稼働中
募集部屋は家賃値上げを実施(最大従前家賃より8~10%値上げ)
2020年以降増収増益達成中
となり、空室率ワースト1位の山梨県でしっかりと結果を出しています。
弊社が行った対策は、賃貸業界で一般的に行われている方法とは全く異なります。恐らく今回ご紹介する対策を実践して頂ければ、良い結果を得ることが期待できるでしょう。
対策①:現状をしっかりと見極める
築年数が経過している物件が、新築物件の真似事をしても家賃を新築並みにすることは難しく、仮に家賃を新築並みにしても閑古鳥が鳴くのは明らかです。
それでは、築年数が経過している物件が大空室時代を生き残るためには何が必要なのでしょうか?それは所有している物件の現状をしっかりと見極めた対策を講じることです。
築年数が経過している物件が生き残るためには、ランチェスター戦略を活用した対策が不可欠です。
ランチェスター戦略上、強者は新築・築浅物件、弱者は築古物件が該当すると考えられます。
強者である新築/築浅物件は、「同質化」を徹底的に行っています。例えば対面キッチン/宅配ボックス/オートロック/ホームセキュリティー/インターネット無料化はもはや標準装備と言えますが、これはまさに強者の戦略と言っても過言ではありません。
また新築物件は賃貸業界的にドル箱物件で、家賃帯が高くても入居希望者が多いため、複数の仲介会社で募集が行われることも、同戦略の「総合力で戦う」に該当すると考えられます。
一方弱者である築年数が経過している物件は「差別化戦略」を打ち出すしか勝ち目はありません。しかし、現在の賃貸市場を見てみると…
同質化が進みリノベーションを行っていない物件が多く、資産価値低下している
家賃を安易に値下げし早期成約を急ぐ
物件が多く、リノベーションを行っている物件も、競合物件と同じような設備や内装が多いため、真の意味での差別化には至っていません。
弊社物件は2017年の繁忙期今までの空室対策で失敗し赤字に陥りましたが、これを機にリフォームからリノベーション部屋と舵を切る決意をしました。
▶上記詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
対策②:女性客を意識したリノベーションを展開
競合が多くなると必然的に過当競争が生じ収益性が低下してしまいます。この状況を打開するには差別化を意識することが重要です。しかしリノベーションでどのように差別化を図ればいいのか自問自答していました。
そんな時当時通っていた美容院のオーナーさんから「それならカフェのような部屋を作ればいいのでは?」というアドバイスを受けました。
その話を聞いた瞬間、ビクッとしました。
確かに弊社物件は2LDKのファミリー物件で、入居者の大半は20~30代のカップルや新婚さんでファミリー物件は女性が部屋探しの主導権を握るため…
温かみや温もりが感じられるおしゃれなカフェスタイル空間
を作れば気に入ってくれる人は必ずいると確認し、2018年から事業展開を行いました。その結果競合物件との差別化を図ることができたため、従前と比べると早期客付けに成功しました。
対策③:集客方法をイノベーションする
築年数が経過した物件をリノベーションしても、賃貸検索サイトに集客依存してしまうと築年数や家賃帯で引っかかり、反響を得ることが難しくなります。
そこで弊社物件ではリノベーション事業を開始した2018年、物件公式サイトを立ち上げ独自集客を開始しました。しかし最初は中々軌道に乗らず苦戦を強いられました。
SNS(X/Instagram/YouTube)は一定の集客効果はあったものの、HPに関してはSEO対策が不十分で、特定ワードを入力してもトップページ掲載させることができず、反響を得ることができませんでした。

そこで、2020年に知人の紹介でパソコン管理を外部委託しSEOを強化した結果、アクセス数が7倍に増加し、このことは全国賃貸住宅新聞でも取り上げていただきました。
アクセス数の増加により、反響率や成約率が格段に伸び、同年以降増収増益を達成。家賃値上げしても集客に影響が出ることはほぼなくなりました。
▶弊社公式HPのSEO対策については、過去記事をご覧下さい
まとめ
空室率ワースト1位の山梨県で、弊社物件が結果を出している背景には…
賃貸市場の現状をしっかりと見極めている
集客ターゲットに沿った差別化リノベーションを展開
集客方法をイノベーション
したことで、新たな顧客開拓し、築年数が経過している物件でもスムーズに集客できるようになりました。
また弊社物件では集客と同じぐらい管理の質を高めているため、長期入居して頂ける方が多く、入居期間中にリノベーション費用回収と利益確保が可能となっています。その結果リノベーションの質を高めることで、退去時のリフォーム費用圧縮させることにも成功しています。
▶退去時のリフォーム費用の圧縮に関しては、過去記事をご覧下さい。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
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